空き家を所有していると、無人の建物火災の報道にドキッとすることも多いのではないでしょうか。
この記事では、人が住んでいない家で発生する火事の原因と対策をご紹介します。
十分な対応を施さないのは、所有者の認識不足とされてしまいます。
活用できていない物件のリスクの再確認にお役立てください。
空き家の火災発生原因は?
毎年、全国で多くの火災が起きていますが、空き家も例外ではありません。
消防庁の集計では、2019年の1位はタバコですが、4位の放火と5位の放火の疑いを合計すると、タバコを原因とした火災数より多い件数となってしまします。
とくに無人になっている建物に限定すると、放火と放火の疑いが主な出火理由です。
この他、敷地内へのタバコの投げ捨ても見逃せません。
燃えやすい新聞紙や灯油タンク、放置した庭木や雑草、不法投棄のゴミに引火して出火へいたることもあります。
また、ネズミなど動物が侵入して電線をかじったり、配線機器の老朽化による漏電などが出火の引き金になっているケースも多数見受けられるようです。
空き家の所有者は、肝に銘じましょう。
空き家を火災から守るための対策とは
無人の家屋を放火から守るには、管理会社に委託するのが簡単です。
巡回による見守り、庭の手入れ、異変があれば知らせてくれます。
同時に、売却や賃貸に出せないかも検討しましょう。
管理業務をおこなう不動産会社も多く、地元ならではのネットワークでサポートしてくれます。
また、空き家バンクなど自治体の機関への登録も可能です。
しかし、購入・賃貸希望者との引き合わせが目的のため、維持や交渉は自分がしなければなりません。
この他、家屋の老朽化が進んで、売却や賃貸物件としての活用が困難な場合は、解体も視野に入れましょう。
解体費用が掛かりますが、更地希望者の目に留まる可能性も高まる有効な対策です。
空き家火災は所有者にも責任がある?
空き家からの出火によって近隣の住宅などが被害を受けた場合、火元の所有者は責任があります。
失火責任法では賠償を免除し、重過失があった際は責任をまぬがれないと規定しているので、所有者が賠償しなければならないケースもあります。
失火責任法の重過失は、火事の発生が予測できたのに原因を放置したままにしていた場合なども含みます。
重過失を避けるためには、しっかりと家を管理し、火災保険への加入もしておいたほうが良いでしょう。
過失が軽くても、近所への謝罪などお金が必要だからです。
無人の家は通常の火災保険ではなく、施設賠償責任保険特約タイプに加入します。
自分だけでなく、他人の財産も奪う火事に備えましょう。